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河合塾フォーカス

河合塾グループの取り組みに焦点をあててご紹介するページです。

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~チューターが語る河合塾の「指導」~|12|『チューター発祥の河合塾』1~大切なことは、個に合った指導~

河合塾は、1968年、日本で最初に「チューター制度」を導入した大学受験予備校です。現在では、担任制を敷いてる予備校も多くありますが、河合塾では当時から変わらず、塾生との対話を重視して、一人ひとりの塾生にきめ細やかな進路・進学指導を行っています。今も昔も変わらずに、たくさんの生徒を大学へ送り出してきたチューター。今回は、チューターの役割を紐解きながら、世の中の変化・生徒の志向の変化とともに変わるチューターの在り方や、変わらない生徒指導への想いを2回にわたってお伝えします。2022年02月21日公開

第1回目は、河合塾における「チューター」とはどのような存在なのか、チューターの役割を紐解きます。同期入社でいずれも豊富なチューター経験を持つ、津田沼校舎長の功刀亮と教務企画部高卒生教務チームチーフの兒山泰久に話を聞いた。※所属は取材時のものです。

自走のサポートと合格に必要な情報を提供

サポート資料

チューターとはどのような役割でしょうか?

兒山さん:受験準備を1年間のトータルで考えると、予備校や学校で授業を受けている時間以外に、自習の時間は実は多いんですね。河合塾で授業を受けたとしても、自分で予習・復習をしないとなかなか力はつきません。それを含めてフォローするのがチューターだと考えています。

功刀さん:同感です。物事をなし遂げるには、いわゆるペースメーカー的な存在が必要だと思います。ゴールから逆算して、計画的に練習するスポーツのように、学習においても、コーチや監督のような役割を持った人が必要です。適切な受験情報を必要な時期に合わせて提供しながら、ペースメーカーとして自走できるようにサポートしていくのがチューターだと思います。

兒山さん:ペースメーカーって、学習面だけではないんですよね。高卒生の場合は、特に、起床・就寝時間の管理まで含め日々の生活リズムを確立させることも合格に近づく道です。そう考えると、やはり教科の学習指導のプロである講師とは別に、進路指導・生活指導の専門家が必要なのではないかと思っています。

「達成感」や「自信」を感じてもらいたいと奮闘

2人がチューターとして心がけていることは何でしょうか?

功刀さん:「達成感」とか「自信」を感じられるような指導や、声かけに力を入れてきました。基本的には、「一人でやることに自信がない」とか、「学校の授業で苦手意識を持っている」または「さらに頑張りたい」といった人が塾には来るわけです。だから、河合塾に通ったことで自分が変われたと思ってもらえる指導をしたいですね。学習や努力したプロセスの見える化を行うことで、だんだん自分一人でできるような状態になっていくのが理想かなと思っています。

兒山さん:ただ、入塾したばかりの塾生にとって、まずは「授業」なので、最初はチューターの存在意義ってあまり感じてもらえないんです。でも、私たちと関わっていくなかで、やっぱりチューターがいて良かったと感じてもらえるようになる。だから、私たち自身がまず動いて話をするとか、一緒に考えたり、資料を提供したりといったところから始まるのかなと思っています。

功刀さん:最終的には、塾生が自律的に学習していくことが望ましいわけですから、1年間でいえば、春先には毎日校舎窓口に来ていた生徒がだんだん1週間に1度になったりすると、自分で勉強できるようになったのかなと思いますね。

兒山さん:その逆もありますよね。春先にまったく校舎窓口に来なかった塾生が、だんだんと人間関係ができていって頻繁に来てくれるようになるってことも…。そういう人間関係や信頼感をつくって、良い学習環境を提供するのもチューターの大事な役割ですから、チューター時代は、自分から積極的に声をかけるようにしていました。

塾生にじっくり向き合うため、年4~5回の面談が必須!

河合塾には、職員のチューターだけでなく、学生チューターもいますが、どのような違いがありますか。

功刀さん:津田沼校では、学校同様に生活面含めた全体のサポートが1年間必要な高卒生は職員チューターが担当しています。一方、現役生の場合は、学校の勉強や部活との両立の悩みなども抱えています。そうなると、最近まで高校生で、同じように受験を経験している学生チューターの方がより身近な存在として、彼らに寄り添うことができる場合があります。面談も学生チューターが行いますが、もちろん職員チューターもサブで入りますから、サポートの質はしっかり保っています。

兒山さん:現役生の場合はまず、学校の授業の勉強をしっかりやってもらうことが大切です。最近は総合型選抜を受ける塾生も多く、「学校の成績を上げたい」という塾生も多く在籍しています。河合塾としては大学受験に合格するために必要な力はもちろん、学校での学びをサポートできるように幅広く指導したいと考えています。

功刀さん:だからこそ、面談に力を入れるわけです。河合塾では、たとえば大学受験科(高卒生)の場合、最低でも年4~5回、チューターと面談を行います。夏と冬には保護者を交えた三者面談も行い、一人ひとり志望や悩みが異なる塾生に、じっくり向き合っています。

兒山さん:塾生の学習課題は本当に一人ひとりまったく違います。それに向き合うチューターというのは、高校の勉強であれ、大学受験であれ、塾生が望む未来の実現に向けてのサポートを行っているわけで、人生に大きく関わっているともいえますね。

活躍する姿を見れるとき・学生チューターに応募してくれるときがうれしい!

チューターとして喜びを感じるのは、どんなときでしょうか?

功刀さん:大学合格や学力アップが一番うれしいのは当然ですが、たとえ望み通りの結果でなくても「こんなことができるようになった」と言われるとうれしいですね。「高2生時の自己調整能力は大学生になってもそんなに成長しない」という研究データもあるのですが、高2生以降であっても受験という経験を経て自己調整能力を身につけてくれると、社会でも活用してくれるだろうと期待できますから、意味のあることに貢献できたのかなとうれしくなります。その後も社会で活躍している姿を見たり、大学卒業後に顔を出してくれると、単純にうれしいですね。

兒山さん:かつての塾生が学生チューターに応募してくれることですね。応募動機のほとんどは、塾生時代にチューターにお世話になったから恩返しをしたいというものですから、自分たちがそういう存在になれたのかなと感じられてうれしくなりますね。「受験はゴールではなく、その先の将来をどう生きていくのか、どんな大人になるのかを考えていただく」ことが河合塾の指導のコンセプトにあり、かつての塾生が自分自身の思い描いた未来を生きている姿を見るのはとてもうれしいです。


続きます。
後半パート(第2回目)では、世の中や塾生の志向の変化とともに変わる塾生のニーズをどう捉え、指導・アプローチを行うのか、チューターとしての今後の展望を聞きました。ぜひご覧ください。


<プロフィール>
■功刀 亮(くぬぎ りょう)
学校法人河合塾 津田沼校 校舎長。2007年入塾。茨城県の高校営業を担当し、模擬試験の促進や活用、高校講演などを通して、学校現場の課題解決に取り組んだ。2011年より麹町校に配属。以後、津田沼校・新宿校での生徒指導経験を経て、2021年より現職。生徒指導、募集業務にあたっている。

■兒山 泰久(こやま やすひさ)
学校法人河合塾 教務企画部 高卒生教務チーム チーフ。2007年入塾。校舎でのチューター業務に携わり、2018年より教務統括部にて現役生・高卒生のカリキュラムの設計に従事。2021年より現職。高卒生へ新たな教育サービスを提供するべく、日夜取り組んでいる。