「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾-: Vol.116 (2020年10月1日公開)
- 会社経営・起業家
- 高校グリーンコース
時間的な制約があり<br />すべきことがたくさんある場合に<br />優先順位をつけて対処していく術を<br />河合塾で学ぶことができました。
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リフ株式会社
代表取締役 データアナリスト五十嵐 圭太さん
- 出身コース
- 高校グリーンコース
河合塾は私にとって「もう1つの学校」でした
・・・なぜ高校グリーンコースを選んだのですか
幼稚園から高校まで成城学園だったため受験経験がない私は、そのまま成城大学に進学するのではなく、外部の大学に挑戦しようと思いました。中学3年生の夏休みに、進学校の人たちが通うような大手の予備校をいくつか見学した中で、河合塾駒場校(当時)の職員の方の対応がとても親切だったため、河合塾の夏期講習を受講することにしました。他の中高一貫校の友人もでき、アットホームな雰囲気のなかでのびのび学ぶことができました。
高校進学後は高校グリーンコースで英語と数学を受講しました。私の高校には大学受験をする友人はほとんどおらず、高校生活を謳歌する同級生のなかで孤独だったこともあり、河合塾は、私にとって「もう一つの学校」とも呼べるような存在でした。
※河合塾駒場校は、2008年4月1日から東京都文京区に移り、河合塾本郷校となっています。
英語と数学の先生のおかげで、東大現役合格できた
・・・高校グリーンコースの授業で印象に残っている授業はありますか
英語の小森先生と数学の種艸先生にはとりわけお世話になりました。
小森先生は、「英語は文法が大事だ」とおっしゃっていたのに、高2の終わりになると「文法はしっかり教えたのでこれからは英単語だ」と、指導が変化しました。まずはとっつきにくいことから始めて、最終的に総力戦に持っていく誘導の仕方が非常に上手な先生でした。
数学の種艸先生には、数学への向き合い方を教わりました。数学が苦手だったため、どうしたら効率的に点数を上げることができるか相談すると、「効率なんてものはない。解法の方法論ではなく、どれだけ数学のことを考えているかが勝負になる」とおっしゃられ、それまで苦手科目を避けていた自分に気づき、気持ちを新たに数学に向き合うことができました。
東大を志望したのは、トップの大学をめざせば、たとえ届かなくてもそこでの学びが役立つのではないかという漠然とした理由でした。高3でのコース選択を悩みましたが、小森先生の「このままいけば東大も大丈夫ではないか」の一言に背中を押してもらい、「東大特進コース」を選択することにしました。
経済学をしっかり勉強して、外資系の証券会社に就職
・・・どんな大学生活を送り、職業生活へとつなげていったのですか
祖父が銀行で活躍していたこともあり、金融や経済を勉強したくて文科ニ類に進みました。しかし、教養学部時代は、リベラルアーツ的な学習ばかりで、早く専門的なことを勉強したいと悶々としていたのを覚えています。ただし、ここで苦手な数学の基礎的な勉強を、もう一度できたことは感謝しています。
3年次からは念願の経済学部に進学し、新鮮な気持ちで勉強に打ち込みました。経済学部の同窓会である経友会の学生側の運営代表として、学生と企業の交流会イベントの企画・運営も行いました。我ながらよく勉強しましたし、東大経済学部にどっぷり浸かった大学時代だったと思います。
大学院で経済学をもう少し勉強したいとも思いましたが、市場原理に興味があり、金融工学やゲーム理論などを専門的に学んできたことから、卒業後は、市場に直接触れられる外資系証券会社に就職しました。そのままアカデミックの道に進む優秀な友人たちとは違うことをやってみようと、あえて現場に飛び込んで、彼らとは違うスキルを身につけて、市場に向き合ってみるのもいいかなと思ったからです。
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ゼミ仲間とインド旅行
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ゼミ仲間とフジロック
AIで日本の労働市場の課題を解決する会社を起業
・・・独立の経緯と現在のお仕事、将来の目標などを教えてください
配属されたのは、数学力を評価されて、AIを使ってトレーディングを分析するアルゴリズムを研究開発する部署でした。その後このアルゴリズムはしっかり稼いでくれたのですが、自分自身はだんだん興味が薄らいでいくのを感じていました。
自分は、新しいことを立ち上げて、それを成長させていくことが好きなのだと気付き、証券会社を辞め、コンサルティング会社に転職して本格的にビジネスを学んだ後、同じ志の仲間たちと現在の会社を起こしました。
当社は、証券会社や不動産会社、広告代理店など自社でビッグデータを有するような企業から依頼を受けてデータ分析を行う一方で、ITエンジニアと企業のマッチングを、AIを使って行うパッケージソフト「Qoala(コアラ)」を開発し、IT業界の労働環境の改善に資する業務にも力を入れています。今後は、AIを使って企業とIT関連人材の最適なマッチングをサポートすることに注力し、日本の労働市場における課題解決に貢献していきたいと思っています。
仲間とともに頑張りたいなら河合塾がおすすめ
・・・最後に、後輩たちにメッセージをいただけますか
私は、受験勉強のすべてを河合塾のお世話になりました。東大をめざすなかで、時間が決まっていてやるべきことがたくさんある場合に、プライオリティをつけ、1つ1つにどう取り組んだらいいかという指針になるようなことを、講師の方々から学ぶことができました。これは現在の私の大きな財産になっています。
大手予備校であるにも関わらず、アットホームで温かい雰囲気がある河合塾は、仲間と一緒に切磋琢磨していきたい人には本当におすすめできます。
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五十嵐 圭太(Keita Igarashi)
1984年東京都生まれ。中学3年生の時、中学グリーンコースの夏期講習を受講。成城学園高等学校1年次より河合塾駒場校の高校グリーンコースに通い、2003年東京大学文科二類に現役合格。2007年東京大学経済学部を卒業し、シティグループ証券株式会社、株式会社ボストン・コンサルティング・グループ勤務を経て、2015年リフ株式会社を設立。AIを活用し、多様な経営課題の解決を支援するビジネスコンサルティングとして活躍中。
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