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「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾-: Vol.120(2021年7月20日公開)

  • マスコミ・出版
  • ドルトンスクール
霜田 明寛さん

何もないところから<br />自由な発想で取り組む<br />ドルトンスクールの教育が<br />自分の骨格をつくってくれました。

  • 作家/Webメディア編集長

    霜田 明寛さん

    出身コース
    ドルトンスクール

好きなことを自由にやらせてもらえた

・・・ドルトンスクールに入ったきっかけを教えてください。

霜田 明寛さん

 2歳児対象のプレイグループから通っていますので、ドルトンを選ぶきっかけを作ってくれたのは両親です。連れてこられたときの記憶はありませんが、母親によれば、1人でどんどん教室の中に入っていったそうです。無意識ながらとても気に入ったのでしょう。結局ずっとドルトンスクールに通い続けることになりました。

・・・ドルトンスクールのファーストプログラムでは、何か覚えていることはありますか。

 絵を描くにしても、何かつくるにしても、先生から「最初にこうして、次にこうして…」といった指示を受けたり、強制されたことはありませんでした。自分が選んだ色の紙や絵の具で好きなように描くとか、木材を与えられて好きなものを作っていいとか、それぞれの世界を探求し、自由に表現することを課されていたし、それが許されていた記憶があります。

オリジナルな発想を育む時間を与えてもらった

・・・小学生対象のアフタースクールにも通っていますね。

霜田 明寛さん

 ドルトンスクールのファーストプログラムを卒園してから公立の小学校に通い始めたのですが、小学校では、先生が「正解」にたどり着くような教え方をします。教科教育ですから、仕方がない面もありますが、どうしても違和感があり、「ドルトンスクールの小学生対象のコースに通わせてほしい」と親に頼み、アフタースクールに小2から通い始めました。
 サイエンスクラスでは学校教育+αの学びがありました。たとえば、小学校では教科書で豆電球の正しい点灯のさせ方を教えられますが、ドルトンでは豆電球と乾電池だけを与えられ、「どうしたら豆電球にあかりがつくかな?」と先生から言われるだけで、あとは本人が試行錯誤しながら点灯させていくのです。
 結果は同じかもしれませんが、アプローチが違うので、まったく別の学びの体験でした。物事を一度知ってしまうと、もう違う発想はでてきませんから、知る前の時間、試行錯誤の時間は非常に大切です。オリジナルな発想を育む本当に大切な時間を与えてもらったと思っています。

表現者の考えていることに興味を抱くようになった

・・・中高時代、そして大学ではどんなことに取り組んだのですか。

霜田 明寛さん

 中学受験に集中するためにドルトンスクールは小4で辞め、東京学芸大学附属の中学・高校に通いました。ドルトンスクールのような中学校に行きたいと思っていたため、結果的に自分で判断して行動できる学校に通えて良かったと思います。
 ドルトンのおかげで自分の好き嫌いがはっきりしました。表現することや、表現者が考えていることを伝えることに強い興味があったため、進学した早稲田大学では映画について学んだり、ジャニーズのオーディションに応募し、ジャニーズの舞台に一緒に出たりもしていました。
 その後、アナウンサーをめざして2年間就職活動しましたが、採用されることはありませんでした。しかし、学生による出版コンペティションで準グランプリを受賞し、就職活動の経験が本になって出版されたことから、卒業後は塾の講師をしながら、フリーランスのライターとして歩み始めました。

努力の大切さのようなことを発信し続けたい

・・・現在のお仕事について教えてください。

霜田明寛さん

「ジャニーズは努力が9割」霜田明寛/著 新潮社

 卒業して数年後に現在の会社に入社しました。Webメディアの編集を行いながら、ライターとして雑誌などに記事を書く仕事をしており、文章での表現が主な仕事になっています。書くテーマはバラバラですが、突き詰めれば、努力の大切さのようなことを発信し続けたいとは思っています。
 ただし、書籍は活字の情報に意識的になっている人にしか届かない面があります。今後はラジオのように自然に耳に入ってくるようなメディアにも活躍の場を求めていきたいと思っています。

自分の価値観をちゃんと持つことができた

・・・ドルトンスクールで学んだことで、一番役立っていることは何ですか。

 プレイスクール・ファーストプログラムが、僕の基本的な骨格をつくってくれたと思っています。実は大人になってから、「あっくん(僕)は作家になる」と書かれた卒園時の先生からのメッセージを発見しました。まったく忘れていましたが、そんな小さな子どものことをちゃんと洞察することができる先生方に囲まれていたのかと、あらためて驚きました。
 その意味で幼少期の教育は、非常にコストパフォーマンスが高いと思います。子どもの将来を大切に考えている人にとって、ドルトンスクールは極めて有望な選択肢の1つになると信じています。

Profile

霜田 明寛さん

霜田 明寛(Akihiro Shimoda)

1985年東京都生まれ。幼少時~小学4年生までドルトンスクール東京校で学ぶ。東京学芸大学附属高校卒業後、早稲田大学商学部に現役合格する。大学卒業後、執筆活動・Webメディア編集長など多方面で活躍中。著作に『ジャニーズは努力が9割』(新潮社)など。

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