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京都新聞・神戸新聞・産経新聞に河合塾によるコラム連載(第7回)

2021年11月11日

京都新聞、神戸新聞と産経新聞に、京都大・大阪大・神戸大など関西の難関大受験をテーマとしたコラムの連載しています。本連載では、河合塾近畿地区の講師やスタッフが難関大受験に役立つ情報をお届けします。
今回ご紹介する第7回目は、河合塾現代文科講師の一番合戦達也先生が大阪大学入試の現代文を振り返ります。

大阪大学入試の国語を振り返る ~高度な表現力身につけて~

阪大現代文のポイント

21年度大阪大学入学試験の現代文は、文学部以外の文系学部では評論文が二題、文学部では評論文と小説が各一題ずつという、20年度入試と同じ構成で出題されました。例年通り記述すべき字数が多く、受験生には高いレベルの実力が求められました。
阪大の出題傾向は毎年微妙に変化します。今年度は、昨年度一定だった文学部の解答欄の幅に違いがみられましたし、文学部以外の学部では、指定字数が20字以内という字数以内で答えることが難しい設問も出題されましたし、全体の記述字数も増加しました。また、過去には空欄補充や選択肢問題があった年もあります。理由を問う設問がよく出題されることも阪大入試の特徴として覚えておいてください。


では、以上のことを踏まえ、阪大の現代文入試に対応するにはどのような対策をとればいいのでしょうか。図にまとめたポイントをもとに説明していきます。
▶まずポイントの①で示した通り、読解力を鍛えましょう。的確に解答するために必要な読解に到達するには、まず受験現代文、特に評論文に慣れることが大切です。また近年、非常に長い本文が採用されており、焦らず正確に読解することが求められます。長めの本文を読みこなす訓練を過去問や問題集等で堅実にこなしていきましょう。
▶次はポイントの②です。阪大に特有の、要求される字数が多い設問の解答を作成するには、高度な表現力が必要です。わかりやすく、それでいて知性を感じさせる表現を目指しましょう。表現力はすぐには身につかないので、焦らないことが肝要です。模範解答や本文の言い回しを積極的に学び、語彙を豊かにしていきましょう。
▶最後にポイントの③。試験時間内でいかに得点するかを意識しましょう。解答に許される時間は、大問一つに対して三十分程度と、非常に少ないのです。よって、すべての設問に誠実に答えていくよりは、「満点を取らなくても、部分点を積み上げていくことで合格点に到達すれば良い」と、ある程度割り切って解いていくことをお勧めします。確実に得点できそうな要素を素早くまとめ上げる訓練(下書きをある程度様式化する等)を繰り返しましょう。

阪大の入試問題に真剣に挑戦した受験生は、その壁の高さを思い知り、悲観的な気分になることもあるでしょう。しかしながら、実力を磨いて問題文と誠実に向かい合い、出題者が求める条件にしっかり合わせて答えることができれば、合格点に到達する解答が書けるはずです。この高い壁を超えられると信じて努力を続け、ぜひ合格を勝ち取ってください。(河合塾現代文科講師 一番合戦達也)

※本寄稿は、新聞掲載が最も遅い産経新聞社の掲載日以降に、同紙から原稿提供を受けて掲載しています。

執筆者のプロフィール

河合塾現代文科講師 一番合戦達也

▶河合塾現代文科講師 一番合戦達也

大学受験科・高校グリーンコースにて阪大をはじめとした国公立大から早慶大などの
私立大まで幅広いレベルの講座を担当。丁寧な指導と面倒見のよさには定評があり、
熱心な質問対応など生徒からの信頼も厚い。

※ 2021年11月掲載時点