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京都新聞・神戸新聞・産経新聞に河合塾によるコラム連載(第8回)

2021年12月09日

京都新聞、神戸新聞と産経新聞に、京都大・大阪大・神戸大など関西の難関大受験をテーマとしたコラムの連載しています。本連載では、河合塾近畿地区の講師やスタッフが難関大受験に役立つ情報をお届けします。
今回ご紹介する第8回目は、河合塾英語科講師の国松透先生が神戸大学入試の英語を振り返ります。

神戸大学入試の英語を振り返る ~英語を多く読み演習、復習を~

 今月から2021年度の神戸大入試について、3回に分けて振り返ります。まずは英語です。
 ここ5年ほど、英語の出題形式はさまざまに変化してきました。例えば20年度入試は英文読解3題、うち2題は自由英作文が組み込まれた形式という構成でしたが、21年度入試では一昨年までと同じ、独立した自由英作文と英文読解3題の大問4題構成に戻りました。今後も大問構成が変わる可能性はありますが、過去問をたくさん解き、どんな出題形式となっても慌てないように備えておきましょう。

▶ただ、形式上は変化したとは言え、合計で1600語前後の英文を読み、2題の自由英作文を書くことが求められるという根本的な部分は変わりません。80分という試験時間もかなりタイトで、時間配分に十分気をつける必要があります。決して過剰に難解な英文が出題されるわけではないので、基本的には英文を素早く、設問に対応する箇所は丁寧に読むといった臨機応変な読み方が必要になります。

▶英文読解は論説文・説明文が2題と小説が1題というのが例年のパターンですが、21年度は小説ではなく「アメリカの経営大学院の授業における議論」という対話形式の英文が初めて出題されました。設問は下線部和訳、内容説明、空所補充、語句の言い換えなど多彩ですが、全てに共通して英文の趣旨・文脈を正確にたどることが求められていると言えます。そして解答にあたっては、根拠となる箇所をただ抜き出すのではなく、自分の言葉で工夫して解答を作成する力を養うことも合格への鍵となります。
 自由英作文の対策も怠れません。21年度入試のテーマは、「日本の若者の内向き志向の例」を説明し、さらに「内向き志向が原因で留学する日本の若者の数が減っているか」に関して意見を述べるという内容でした。

▶いずれの設問にしても、凝ったものでなくてよいので、自分の考えを説得力のある論理展開で述べ、文法・語(ご)彙(い)のミスを極力減らして解答を作成することがポイントです。自由英作文はさまざまなテーマのものが、いろいろな形式で出題されています。普段から神大の入試問題に限らず、いろいろな問題に接して、自分で解答を書く練習を行い、できるだけ先生に添削してもらうと良いでしょう。

 「神大入試対策に近道なし」。出題形式が変わったとしても、この点は不変です。単語や熟語を正確に覚える、文法や構文を理解して使いこなす、数多くの英文を読む、演習と復習を続ける―。当たり前のことの継続、日々の学習の積み重ねが合格への道を開くはずです。
(河合塾英語科講師 国松透)

※本寄稿は、新聞掲載が最も遅い産経新聞社の掲載日以降に、同紙から原稿提供を受けて掲載しています。

執筆者のプロフィール

▶河合塾英語科講師 国松透

きめ細かい分析を得意とし、論理的かつ具体的な授業で生徒からの支持を集める人気講師。
授業では私立大から国公立大の講座を幅広く担当。現役生対象の授業では「高3神大英語」や「高2トップ・ハイレベル英語」、高卒生対象の授業では医学部志望生を対象としたレベルの高いトップナビコースを担当。「神大入試オープン」模試の作成メンバーを担っており、様々な大学のオープンキャンパスでの入試対策講義にも尽力。

※ 2021年12月掲載時点