このページの本文へ移動 | メニューへ移動

京都新聞・神戸新聞・産経新聞に河合塾によるコラム連載(第11回)

2022年03月10日

京都新聞、神戸新聞と産経新聞に、京都大・大阪大・神戸大など関西の難関大受験をテーマとしたコラムの連載しています。本連載では、河合塾近畿地区の講師やスタッフが難関大受験に役立つ情報をお届けします。
今回ご紹介する第11回目は、河合塾近畿地区東大・京大進学情報センター長 濱里このみが22年度大学入学共通テストの概況をお伝えします。

22年度大学入学共通テストの概況 ~数学など平均点大幅に下落~

大学入学共通テスト平均点の推移

大学入学共通テスト平均点の推移

去る1月15日、16日、新型コロナウイルスの感染拡大第6波の真っ只中、2022年度大学入学共通テスト(以下共通テスト)が実施されました。総志願者数は約53万人で昨年よりも約5千人減少しましたが、外国語の受験をベースとした受験率は上昇したため総受験者数は昨年よりも約4千人増加しました。

▶まずは平均点について見ていきます。導入初年度で様子見色の強かった2021年度共通テストからは一転、今年の共通テストでは昨年よりも平均点が下がる科目が多く、特に数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B、生物では記録的な下落幅が見られました。河合塾の5教科7科目型の平均点予想では理系・文系ともに昨年を大きく下回り、7科目型の平均点を算出するようになった2004年度以降で最も低い平均点となりました。今年の共通テストがいかに難しかったかがよくわかると思います。

▶次に出題内容を見ると、「学習の過程を意識した出題設定」という共通テストの特徴的な傾向は今年も継続されました。また、会話文や複数資料の読み取りだけでなく、新しい問い方で正しく理解しているか、解答の方針を立てることができるかを測る問題も出題されました。一方、従来のセンター試験と同様の問題も引き続き出題されていますので、学力の土台となる知識・技能の習得、鍛錬も欠かすことはできません。

▶最後に、上記の内容を踏まえて、次年度以降の共通テストに向けてどのように対策を行うべきかを述べます。何よりも大切なのは、学校の授業や塾の課題をきちんとこなして確固たる基礎力を身につけることです。新傾向の出題にばかり目移りしてしまいがちですが、それは共通テストの本質ではありません。知識・技能という土台を着実に築き上げ、その上に思考力や判断力の強化を上乗せしていくことが肝要です。

▶そして思考力や判断力を鍛えるためには、質の高い予想問題に数多く触れることが必要です。書店の受験コーナーにはたくさんの予想問題集が並んでいますが、中には共通テストにまったく対応していないものもあります。問題集で演習量を増やすのであればしっかりと中身を確認して、最新の傾向が反映されたものを購入するようにしてください。どれが適切なのか判断に迷うことがあれば、情報力に強みのある予備校で対策を行うことも一つの手です。
(河合塾近畿地区東大・京大進学情報センター長 濱里このみ)

執筆者のプロフィール

近畿地区東大・京大進学情報センター長 濱里このみ

▶河合塾近畿地区東大・京大進学情報センター長 濱里このみ

2009年河合塾入職。京都校にて長年大学受験科の東大・京大クラスを担当し、延べ1,000人を超える生徒を指導。2020年4月に設立された近畿地区東大・京大進学情報センターの初代センター長を務める。河合塾を代表する東大・京大指導のプロフェッショナル。

※ 2022年3月時点