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京都新聞・神戸新聞・産経新聞に河合塾によるコラム連載(第22回)

2023年02月09日

京都新聞、神戸新聞と産経新聞に、一昨年から導入された共通テスト傾向分析のほか、京都大・大阪大・神戸大など関西の難関大受験をテーマとしたコラムの連載しています。本連載では、河合塾近畿地区の講師やスタッフが大学受験に役立つ情報をお届けします。
今回ご紹介する第22回目は、河合塾英語科講師の国松透先生が神戸大学入試の英語を振り返ります。

2022年度神戸大入試の英語を振り返る~記憶力が鍵、演習と復習継続を~

 神戸大入試では、変化のあった年度はあるものの、600語程度の英文読解3題と2問構成の自由英作文1題の大問4題構成の出題が続いています。試験時間は80分で、問題量を考えると時間配分に苦慮することがあるかもしれません。そのため、英文を基本的には素早く、設問に対応する箇所は丁寧に読むといった読み方を身につける必要があります。
 読解問題は論説文・説明文が2題と小説文が1題というパターンが基本です。設問は、下線部和訳、内容説明、空所補充、語句の言い換えなど多彩です。2022年度は本文の内容に関する選択肢を選ぶ形式の出題が多く見られましたが、基本的には記述力を問う問題のウエートが高いため、日頃から「自分で解答を書くこと」を意識して勉強することが重要です。その際に、根拠となる箇所をただ抜き出すのではなく、字数制限に注意して自分の言葉で工夫して解答を作成することも意識しておきましょう。

 最近出版・発表された英文を素材として出題されることが多いので、教科書で読む英語はもちろん、現代的なトピックの様々な英文を日頃から読んで、英語だけでなく背景知識も身につけておくとよいでしょう。
読解問題の対策と並行して自由英作文の対策も怠らないようにしましょう。2022年度は問題文中の語句の意味を推測して説明する問題と、「学校での制服についての自分の意見」を述べるという2種類の作文を書く問題が出題されました。制限時間を考えると、ごく当たり前なものでよいので自分の考えを素早くまとめ、かつそれを文法・語彙のミスの極力少ない英語を使って、説得力のある論理展開で解答を作ることが求められます。これは練習を重ねないと身につくものではありません。自由英作文の出題形式は様々なので、普段から神戸大学だけではなく他の大学の自由英作文の問題も、時間を意識しながら自分で解答を作る練習をしておきましょう。

 神戸大入試の対策に近道はなく、日々の学習の積み重ねしかありません。それは、決して達成できないものではないはずです。単語や熟語を正確に覚える、文法や構文を理解して使いこなす、数多くの英文を読む、演習と復習を続けるという地道な勉強の継続こそが合格につながるでしょう。記述力が合格を左右するので、必ず自分の手で解答を書き、先生に添削してもらいましょう。それによって自分に足りない知識や、陥りがちな癖に気づくこともできます。また、過去問をできるだけ解いて、どんな出題形式が出ても慌てないように備えておきましょう。

執筆者のプロフィール

▶河合塾英語科講師 国松 透(くにまつ・とおる)
 きめ細かい分析を得意とし、論理的かつ具体的な授業で生徒からの支持を集める人気講師。
授業では私立大から国公立大の講座を幅広く担当。現役生対象の授業では「高3神大英語」や「高2トップ・ハイレベル英語」、高卒生対象の授業では医学部志望生を対象としたレベルの高いトップナビコースを担当。「神大入試オープン」模試の作成メンバーを担っており、様々な大学のオープンキャンパスでの入試対策講義にも尽力。

※ 2023年2月掲載時点