拡大する大学入試「女子枠」 高校生の受け止めは? ~2年前より「賛成」が減少。背景には狙いやメリットのアピール不足か~
2025年02月18日
学校法人 河合塾
学校法人河合塾は、導入が拡大している大学入試の「女子枠」について、高1・2生を対象としたアンケートを昨年11月に実施しました。前回23年1月の調査と比べ、「女子枠に賛成」の回答が約9ポイント減少する結果となりました。女子枠の拡大が進む一方で、高校生からの支持に伸び悩みが見られ、ギャップを感じさせる結果です。
過半数は賛成だが、入試における「平等」「差別」への根強い懸念も
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アンケートは高1・2生を対象に24年11月に行ったオンラインのテストイベント参加者に実施。
「工学部など女子比率の少ない学部に女子枠を導入する取り組みをどう受け止めますか?」という質問に対し、賛成は56.0%、反対は44.0%という結果になりました。23年1月に行った同じ質問に対し、賛成と回答した方の比率が9ポイント減少し、反対が増加しました。
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アンケート概要
調査対象 :全国の高校1年生・2年生
回答数 :3,762件
回答方法 :Webアンケート。テストイベント「大学入学共通テストトライアル」参加者から回答を募集)
回答期間 :2024年11月3日~12月10日
※前回実施について
2023年1月の同種テストイベントで実施
回答数 :2,412件
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賛成・反対の理由を分析したところ、賛成と答えた方からは、「理系に女性が増えることで多様な視点が生まれる」、「女性の活躍の場が広まる」といった「視点」「活躍」「公平」等の観点からの回答が寄せられましたが、その数は100件強でした。
一方、反対と答えた方からは、「入試は男女平等であるべき」、「(女子枠により)かえって男女差別になるのでは」といった「平等」「差別」「公平」の観点からの回答が500件近く寄せられました。
回答では「賛成」が過半数を占めたものの、「入試形式」としての女子枠に関心が集まり、女子枠が掲げる理念や狙いが、当事者である高校生に十分に伝わっていない現状が浮き彫りとなりました。
理系女子の増加によるトータルメリットのアピールを ━━河合塾研究員コメント
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近藤治 主席研究員
河合塾教育研究開発本部・主席研究員の近藤治は、「心情的に男女差別や不平等感を感じる生徒が多いようだが、ジェンダーをはじめさまざまなバイアスにより女子が進学しづらかった学部を受験しやすい環境を作った点で女子枠には意義がある。今出ている不満や不安は、入口である入試でのみ女子枠がクローズアップされているからではないか。大学は入学後や卒業後も含めて女子の増加によるトータル メリットをもっとアピールする必要がある」と、分析します。
注目を集める女子枠の報道や、ジェンダーに関する資料のひとつとして本調査結果をご活用ください。弊塾近藤への取材も歓迎します。どうぞよろしくお願いいたします。
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